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2011年10月21日

the typhoon pass

「悔しいねぇ」
「悔しいも何も、せっかく入れた機械まで水浸しだ。見てくれよ」

9月の台風が過ぎた日だった。
道路脇の排水口からこんこんと海水がわきあがってくる。
潮位が上がるだけで、水に浸かってしまう状態がそこここで起こる。

電気が来ないうちからコンテナハウスを借り、
剥き出しの基礎の上に店を出した。
電気が来たときに店には冷蔵庫、外には自販機を置いた。
嬉しそうだった。

「電気さえ来れば、もっと商品を置けるんだ」
ずっと、そう言っていたから。
一緒になって悔しがった。店の棚からパンとコーヒーを買った。
「また来るよ」
それしか言えなかった。

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posted by daisuke-m : 16:44
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2011年10月20日

feature

南三陸町防災センター。
今も多くのひとがここを訪れる。
花や供養の品、メッセージが所狭しと並べられる。
鉄骨だけになったスカスカの建物に、ギッシリと思いが詰まっている。

町はここをこの災害の遺構として残すことを提案するが、
遺族の心情も勘案し、取り壊しとなるそうだ。
先のことを考えるには、あまりに時間が少ない。
時間しか、傷ついたひとたちの心を癒すことができないのかもしれない。

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posted by daisuke-m : 12:43
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2011年10月17日

the foundation

この日は仙台市の荒浜へ。
これは別に砂の山の上に家が建っていたのではない。
家の基礎から下が波に持って行かれたのだ。

こうして被災地域を行き来すると、波の高さ、被災範囲を確認する癖がつく。
そして、どこまで逃げれば助かったのか、段々とわかるようになる。
写真の場所からだと、どこへ逃げるにも極めて厳しかっただろうと思われる。

基礎だけが残る現場を見て、確かにこれが残るうちは次に進めないなどと
考えてしまいがちになる。
でも、南三陸の被災女性の話を聞いたときに、僕はそんな考えを恥じた。
彼女は言う、

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posted by daisuke-m : 14:04
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2011年10月16日

half a year

震災から半年が経って、ようやく気仙沼を訪れることができた。
金曜の夜に深夜バスで東京を発ち、土曜の早朝に仙台に到着する。
しばらくはJRと代行バスを乗り継ぎ被災地を訪れていたが、
南三陸町以北はそれが難しい。

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posted by daisuke-m : 15:04
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2011年10月15日

in the water-blue sky

南三陸町。
3月末から被災地に入り始めて、7月にようやくこの町を訪れることができた。
毎週とは言わないものの、ほぼ月に2〜3回の週末を被災地で過ごすようになってからは、
この町には毎回のように足を運んでいる。
これからもここの写真はよく出てくるだろう。
どんな風にこの町のひとが復興していくのか、恐らく何年も訪れるだろうと思う。

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posted by daisuke-m : 18:34
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