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2011年10月21日

the typhoon pass

「悔しいねぇ」
「悔しいも何も、せっかく入れた機械まで水浸しだ。見てくれよ」

9月の台風が過ぎた日だった。
道路脇の排水口からこんこんと海水がわきあがってくる。
潮位が上がるだけで、水に浸かってしまう状態がそこここで起こる。

電気が来ないうちからコンテナハウスを借り、
剥き出しの基礎の上に店を出した。
電気が来たときに店には冷蔵庫、外には自販機を置いた。
嬉しそうだった。

「電気さえ来れば、もっと商品を置けるんだ」
ずっと、そう言っていたから。
一緒になって悔しがった。店の棚からパンとコーヒーを買った。
「また来るよ」
それしか言えなかった。

posted by daisuke-m : 2011年10月21日 16:44