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2011年06月27日

100 days have passed

「瓦礫もだいぶ片付きましてね、きれいになりましたよ。この山の上からご覧になってください」
タクシーの運転手はそう言って帰って行った。

これが散々メディアが言う復興って奴か、と腹の底から怒りが込み上げた。
僕はすぐに山を降り、この樹々の向こうへ行った。

瓦礫は確かに片付いた。陸地に突き刺さった船もない。
すぐ近くの高台ではテニスに興じる住民の姿があった。
日常を取り戻した人たちが出て来たのだ。

それを僕は地元の人たちが言う通りに
「復興が進んだ」
と言うべきではないと思う。

震災はここから始まる。住民もそれをまだ知らないでいるだけだ。
復興という言葉は怖い。すべてを覆い隠してしまう。

僕は彼らの復興を出来る限り見守り続けて行きたい。
しかし心を寄り添わすべきは、復興に隠れてしまったひとたちだと思う。

2011.6.25 石巻市

posted by daisuke-m : 2011年06月27日 16:59